カテゴリ:レビュー 投稿日:2013年9月8日
2012年12月に発売されたSENNHEISERのフラッグシップイヤホンIE800。ヘッドホン祭り後、流通量が少なくなかなか買えず2013年6月にやっと買えました。IEシリーズのフラッグシップですが、IE80とは並売でIE80の上位モデルという位置づけです。HD800に続き新たな上位モデル設定、お値段は実売で62,000円台が一番安いという結構なお値段がするモデルです。
付属品はそれほど多くなく、本体、ケーブル、交換用イヤーチップ(4個)、クリーナー、ポーチ。
非常にコンパクトなハウジングになっている。セラミック製でハウジングどうしが当たるとカチカチする。Sennheiser新開発の7mm XWBトランスデュサーというドライバーが搭載されD2CAテクノロジーという技術が採用されているらしい。ドライバーとイヤーチップの間に音質チューニング用のアブソーバーが挿入されているそうだ。
また外観の特徴的な、2つ穴のアコースティックダンピングとベントを設け通気口になっている。指で塞いでみると、この穴によって音場と低音の調整がされてる感じがする。なんとなく雰囲気的にノーチラスだったり100%の戸愚呂(弟)だったりが想像される。個人的には好き。ちなみに音漏れと遮音性はIE8/IE80よりも改善されている。
色々気になる部分ではありますが、ケーブルの着脱ができない。ようするにユニット側の断線の場合はリカバリーができないという事になる。ただし分岐直前でケーブルの着脱ができ、比較的断線しやすい根元部分が断線した場合はケーブルが交換できる。交換ケーブルは高い。リケーブルによる音質変化は、プラグから分岐までの間のケーブルで行う事ができるかもしれない。プラグは3.5φのミニプラグで、分岐部分は2.5φのミニミニプラグ(メス)のようです。
金メッキになりました。特にメッキにこだわりが無いのでどうでもいいところではあります。またL字を継承してくれたのは嬉しい。ポータブルオーディオ用はストレートではなくL字がやはり使いやすいです。特にAndroidの場合はサイドにイヤホンジャックがある場合が多いのでL字が良い。あと各部分のプラグが同じ素材でできていて、SENNHEISERのロゴが入っていたりして高級感はあります。
以前のIEシリーズよりも若干固め。被覆部分にケブラー繊維を使ったOFCケーブルだそうです。ケーブルの長さは約1.1mと結構短い。カバンもしくはポケット程度であれば問題ないがそれ以外だと短いと感じる事がある。例えばデスクに置いて音楽を聴いたり、据え置きのヘッドホンアンプに接続したりした場合。UEの一部モデルみたいに延長ケーブルがあるわけでもない。IE800のリペア用ケーブルのお値段は高いようです(eイヤホンの価格を見る限り)
また分岐から本体までの間も短い。Shure掛け(耳掛け)するイヤホンではないが、耳掛けする余裕すらない。
IE800のイヤーチップは全部で5種類。以前のIEシリーズよりも減っています。サイズはS、M、Lに加えてSとM、MとLを補完する形で楕円型(オーバルイヤーピース)S楕円、M楕円の5種類です。イヤーチップにはメタルフィルターが挿入されている。このフィルターが若干音質に影響しているように思える。またカチっとはまるようなイヤーチップになっている。他社製のイヤーチップの交換などは今のところは難しそう。こちらもeイヤホンでスペアが取り扱い開始になりましたがMサイズ1つで3,000円を超えてました、なくさないようにしなければ。あとクリップ付きになったせいかあまり付け外しをしていると根元から断裂しそう。
イヤーチップについては、IE800の場合結構シビアに音質に影響する。きちんとあった物を利用したいが、IE800は小さいイヤーチップで奥まで挿入するか、大きいイヤーチップで手前に挿入するかで音質が変るし付け心地も変る。自分にあったセッティングを見つけたい。楕円型はいまいち自分には合わなかった。
装着感は良い、小さいイヤホンはいいなと思う。SONYのEX800STをたまに付けるが大きいなと思う。以前のIEシリーズに比べると遮音性が向上したのか、カナル型独特ではあるがやや閉塞感を感じる。
タッチノイズが多く対策したいところ。耳掛けにはケーブル長が足りないのでできず、クリップを利用している。以前のIEシリーズにはケーブルクリップが付属していたのだがIE800には付属していない。逆だろうと思うが、、、IEシリーズの物を拝借したが、他のイヤホン/ヘッドセットから拝借してくるか、ドナーとして100円ショップでケーブルクリップがついている製品が売っている場合があるのでそれを買ってくるといいと思います。
ファーストインプレッションは、「こんな小さいイヤホンなのに良い音がするし、ヘッドホンみたいな音場だ」といった感じでした。聴き始めは高音域がかなり強めに出ていて低音がぼわっとしていてダイレクトに音が来るという感じでしたが、数時間すると高音域は落ち着き低音は締まり広く深い音になりました。
イヤーチップ選定は難しいが、Shure掛けするイヤホンでもなく誰でも簡単に装着でき、付属のイヤホンを利用している人やある程度イヤホンを買っている人、誰が聴いても良い音と感じてくれる音だと思います。癖の無い高音質。面白さはないですが解像感が非常に良くクリアです。低音から高音まで綺麗に出ている。元気にガンガン鳴る感じではなくヘッドホンライクな感じ。音源はできる限り高音質にしたほうがいいと思います(mp3の320kbpsとかロスレスとか)。セラミックハウジングだからか残響音が若干乗ってここが独特なポイントかな。
ダントツで使用時間が多いIE8との比較が多いですが、音質の差は圧倒的。IE800を聴くと他のイヤホンを買う気があまり起きなくなります。値段が高いですが相応といったところでしょうか。この価格帯に製品自体が少ないのでコストパフォーマンス面での比較はそれほどできず、買うか買わないかという選択肢になりがちだとは思います。以前のIEシリーズとはまた違った感じではあるが、SENNHEISER好きにはおすすめできる1本です。
ポータブルの扱いやすさは若干以前のIEシリーズに比べると悪いが、音質的にはやや面白さは無いが、そういうのをすっ飛ばしてすばらしい。
利用頻度的にはIE8のほうが多い状態だが、やっと高音域の固さが取れてきた。ただやはり外で利用する場合はタッチノイズが気になるし、若干ケーブルが短いように思える。ロングケーブル的なものが欲しくなってくる。線材のミックスによるリケーブルということで、分岐点からプラグまでの間のケーブルを自作してみるのも良いかもしれない。ミニミニプラグ(メス)が手に入れば作成はできそう。